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研究テーマ


大質量X線連星

太陽の10倍以上の質量を持つ大質量星と、コンパクト星(中性子星やブラックホール)から成る連星を大質量X線連星(High mass X-ray binaries: HMXBs)と呼びます。このような天体では大質量星からの星風によって質量輸送が行われており、連星進化に大きな影響を及ぼしています。HMXBは重⼒波源である⼆重コンパクト連星に進化すると考えられており、その質量輸送や進化を理解することは宇宙の未解決問題を追究する上で重要事項です。私は、2023年に打ち上げられたX線分光撮像衛星XRISMによって取得された精密なX線分光スペクトルを解析することで、HMXBでの降着構造の解明を試みています。現在まで以下の天体の観測データの解析を行なっています。

Cygnus X-3

白鳥座の方向にあるHMXBです。この天体はウォルフ-ライエ星(過去の質量放出により水素層が無くなった大質量星)とコンパクト星から構成されます。コンパクト星の正体については発見から半世紀経った今でも分かっていません。XRISMによって得られたCygnus X-3のスペクトルは非常に複雑であるため、周囲の人たちは「HMXBのラスボス」と呼んでいます。

Vela X-1

帆座の方向にあるHMXBです。全天で最も明るいX線源の一つであり、長い間研究されてきたHMXBです。この天体はB型超巨星と中性子星から構成されます。地球からは、この天体のほぼ真横が見える(公転面に水平な面から観測される)ため、中性子星と超巨星の位置関係によってX線スペクトルが大きく変化します。

プラズマ診断

X線スペクトルの形状は放射領域の密度などによって変化します。その為、スペクトル上の輝線の比を測定することで放射領域の環境を推定することが出来ます。私の研究では、輻射輸送計算コードを用いて模擬スペクトルを作成することで、放射源の環境推定を試みています。