Microwave cavity resonator

金属の壁で囲まれた空洞はマイクロ波領域の共振器として利用でき、「空洞共振器」と呼ばれています(図1)。 空洞共振器は、以下の利点からマイクロ波領域の物性を高感度に測定する手段としてよく利用されます。

  1. Q値(=共振周波数と半値幅の比)の高い共振器が比較的容易に作れる。
  2. 空洞部分へ試料を挿入したり、空洞壁の一部を試料に置換できる。
空洞共振器

図1 各種空洞共振器

物質の複素電気伝導度測定する場合には、Q値が高い円筒形の空洞共振器がよく利用されます(図2)。 代表的な共振モードであるTE011モードの場合、共振器内の電磁場分布は、図3のようになります。この図からも分かるように、空洞共振器内ではマイクロ波電場の強い位置とマイクロ波磁場の強い位置が互いに異なる性質があります。

空洞共振器

図2 円筒形の空洞共振器

TE011モードの交流磁場

図3(a) TE011モードの交流磁場分布

TE011モードの交流電場

図3(b) TE011モードの交流電場分布