青山学院大学 物理学科 コロキウム

1999年度 第11回

下記の通りコロキウムを企画致しました。講演者の方には、学生や分野の違う方にもわかるレベルから始めて下さるようにお願いしてあります。是非ともご参加下さいますよう、ご案内申し上げます。

なお、今後の予定については www.phys.aoyama.ac.jp/seminars/seminar_cover.html を御覧下さい。 また理工学部キャンパスへの交通についてはwww.phys.aoyama.ac.jp/maps/map_cover.htmlを御覧下さい。

(世話人・羽田野 直道・学外からは03-5384-2642・学内からは23107)

 

講演者:吉田 哲也 氏(高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所)

日時: 11月19日(金) 午後4時半から
場所: 青山学院大学 理工学部(世田谷キャンパス) 一号館 5階 1538号室

講演題目: 気球搭載型超伝導スペクトロメータによる宇宙起源反粒子の探索
要旨:
日米国際共同気球実験として行われているBESS宇宙粒子線観測実験では、高エネ ルギー加速器実験で培われた薄肉超伝導マグネットや粒子検出技術・高速データ 収集システムを駆使して開発・製作された気球搭載型超伝導スペクトロメータを 用いて、1993年より一次宇宙粒子線観測を続けている。これらの観測により世界 で初めて「質量の同定」という確実な方法で一次宇宙線中の低エネルギー反陽子 を観測し、宇宙線反陽子の起源の探索や宇宙起源反物質の極微量に至る探査を通 して「初期宇宙における素粒子現象」の研究を続けている。同時に陽子・へリウ ムなど各種一次宇宙線の精密なエネルギースペクトラムを測定し、大気ニュート リノ振動の研究などに不可欠な基本的なデータを供給し、また太陽活動が宇宙線 に与える影響を明確に捉えるなどの成果をあげてきた。 講演ではBESS実験の目指す物理、測定器の概要、これまでの成果を報告し、 BESS実験の将来展望を紹介する。


共催・青山学院大学 理工学会 物理学分科会