青山学院大学 物理学科 コロキウム

1999年度 第7回

下記の通りコロキウムを企画致しました。講演者の方には、学生や分野の違う方にもわかるレベルから始めて下さるようにお願いしてあります。是非ともご参加下さいますよう、ご案内申し上げます。
 

(世話人・羽田野 直道・学外からは03-5384-2642・学内からは23107)



講演者:大槻 東巳 氏(上智大学 理工学部 物理学科)

日時: 10月22日(金) 午後4時半から
場所: 青山学院大学 理工学部 一号館 5階 1538号室

講演題目: アンダーソン転移点のユニバーサルな振る舞いと境界条件依存性
要旨:
アンダーソン転移とは、系の不規則性、例えばランダムポテンシャルを 増していったとき、電気伝導度があるところで消失する金属−絶縁体 転移である。この転移は時間反転とスピン回転に関する 対称性により、ユニバーサリティクラスに分類されることが知られている。 モデルの簡単さゆえ、この転移の臨界指数は最近ではかなり精度よく 決定されている。また、転移点直上では、波動関数のフラクタル構造を 反映して、エネルギー準位やコンダクタンスの分布が、モデルやシステム サイズによらない新奇な形をとることが知られている。一方、ごく最近、 こうした分布が系の境界条件に依存することが明らかになった。 講演では以上の理論(数値計算)の現状を紹介し、実験との比較を行い、 問題点を議論する。


共催・青山学院大学 理工学会 物理学分科会