講演者:得能 光行 氏(ジュネーブ大学) 日時:12月 2日(金) 午後4時30分から 場所: 青山学院大学 理工学部(相模原キャンパス)L棟6階 L603室 題目: 「光格子中の変調を用いた冷却原子における分光法の提案」 要旨:  光格子中の冷却原子は, Hubbard 模型で非常に良く記述される理想的な系であ る上に相互作用などのパラメータが実験的に制御可能なことから,量子シミュ レータとして期待されている.だが一方で,対象となる原子が電気的に中性であ るため,利用可能なプローブの種類が強く制限される.そのため,測定法の開発 は冷却原子の研究においての重要な課題の一つである.この問題に対し,外場と しての光格子の変調の利用が近年考案され~[2,3],実際の実験で用いられ始めて いる.~[1] この方法では,レーザーの振幅変調により,光格子ポテンシャルの 振幅を振動させる. 今回,我々は位相変調する光格子のポテンシャルの場合について議論する.~[4] 実際に実験で観測されている物理量について,線形応答理論の範囲内で定式化し た.結論として,測定量は電子系の光学伝導度(又は誘電率)に対応する量であ ることが明らかになった.また,例として Mott 絶縁体状態のボース粒子系 のカレント相関関数の近似計算も行った. [1] C. Kollath, et al., Phys. Rev. Lett. 97, 050402 (2006). [2] A. Iucci, et al., Phys. Rev. A 73, 041608 (2006). [3] D. Greif, et al, Phys. Rev. Lett. 106, 145302 (2011). [4] A. Tokuno and T. Giamarchi, Phys. Rev. Lett. 106, 205301 (2011).} ---------------------------------