講演者:小濱 光洋 氏(宇宙航空研究開発機構) 日時:1月 27日(金) 午後3時00分から 場所: 青山学院大学 理工学部(相模原キャンパス)L棟6階 L603室 題目: 「全天X線監視装置MAXIの参入により、より活発になった突発天体探査」 要旨:  X線領域で宇宙をみると、星の回りに渦巻く高温プラズマが日々脈動的に変動 していることが見て取れる。 ブラックホールなど可視光では見えない天体も、 その回りのガスが落ち込む際にエネルギーを開放して放射されるX線で明るく輝いており、 その輝き方の変化も激しい。   全天X線監視装置MAXIは国際宇宙ステーションISSの「きぼう」船外プラット ホームに取り付けられたX線領域で天体の観測を行う宇宙天文台である。MAXIは ISSの開発計画に振り回され10年以上の開発期間を経たが、2009年8月から現在まで 2年間無事運用できている。  MAXIの目的は大きく2つある。1つは全天を常に監視し新しい突発事象を発見 したら、世界中に速報し追観測を促し、詳細な研究を促進させること。もう一つは最新の X線天体の全天カタログを作ることである。  MAXIが新たに参入した事により、全天モニタを搭載している既存の観測衛星と の突発天体探しの競走が激しくなっている。MAXIで発見して他の衛星で確認してもらった り、他の衛星が発見した天体の追観測をMAXIが行ったりと、相補的に活躍し、新しい知見も得 られるようになった。  MAXIの成果をレビューすると共に、速報を維持してきた経緯も解説する。 ---------------------------------