講演者:羽田野 直道 氏(東京大学生産技術研究所) 日時:9月 30日(金) 午後4時30分から 場所: 青山学院大学 理工学部(相模原キャンパス)L棟6階 L603室 題目: 「開放量子系の共鳴状態と時間反転対称性の自発的破れ」 要旨:  開放量子系とは、粒子が系を離れると二度と戻ってこない状況を表します。 これは、系に熱浴が接続されている状況と同じであるため、開放量子系の散乱 問題は電気伝導を記述できます。 ところで、電気伝導は熱が散逸するので、時間反転対称性が破れています(時 間の矢があります)。では、それと等価なはずの開放量子系の散乱問題のどこ に時間反転対称性の破れが隠されているのでしょうか。本講演では、それが共 鳴状態であることを明らかにします。シュレーディンガー方程式が時間反転対 称であるのに、その固有状態である共鳴状態が時間反転対称性を破っているこ とを強調するのが、本講演の目的です。 ---------------------------------