講演者:西村 純 氏(東京大学名誉教授、宇宙科学研究所名誉教授) 日時:11月 26日(金) 午後4時30分から 場所: 青山学院大学 理工学部(相模原キャンパス)L棟6階 L603室 題目: 「宇宙線研究の歴史とこれからの展望」 要旨:  宇宙線が発見されたのは1912年で、今年は発見からほぼ100年目に 近い年にあたる。発見当初は、これが物理学としてのどのような意義があ るものかは、判然として居なかったが、やがて宇宙線が地球外から入射 する極めてENERGYの高い放射線であることが明らかになると、当時発展 途上にあった素粒子の研究にとって重要な寄与をもたらした。また、地 球外から入射するという事で、今日のSpace Physicsの発展を促すこと となった。X線天文学、ガンマ線天文学、高エネルギーニュートリノの研 究などは宇宙線の研究から生まれ出てきた。 この一世紀をふりかえってみると、宇宙線研究と言う一つの学問分野を 通して、近代科学がどのように発展してきたかという道筋がみえる。そ の中で、特に日本での研究がどのようにして行われ、意義を持っていたの かを述べて、今後の展望にも触れてみたいと思う。 ---------------------------------