講演者:高峰 愛子 氏(青山学院大学理工学部) 日時:5月 7日(金) 午後4時30分から 場所: 青山学院大学 理工学部(相模原キャンパス)L棟6階 L603室 題目: 「汎元素低速不安定核ビーム生成装置の開発とベリリウム同位体イオンの精密レーザー分光」 要旨:  重イオン加速 器技術の発達に伴い、安定線から遠く離れた不安定核ビームを 高強度で生成することが可能となり、不安定核に対する研究が盛んに行われてい る。その結果、安定線近傍の核種には見られない特異な現象・性質が次々と見出 され、原子核に対する描像が変化してきている。原子核を調べる方法の中でも、 原子分光法は核モデルを介さず原子核の基底状態の性質を調べられるため未知の 原子核に対し非常に有効な手段である。 理化学研究所の入射核破砕片分離器などに代表されるin flight法は、元素の 化学的性質や寿命の制限少なく広範な核種の不安定核ビームを提供するが、エネ ルギーが核子当たり数十MeV以上と高く、そのままでは原子分光法に適用できな い。そこで我々は、高速不安定核を効率よく減速・捕集・冷却し、低速不安定核 ビームとして取り出す装置を開発したのでこれを紹介したい。また、ベリリウム 同位体の磁気的・電気的な大きさを、レーザーという電磁的なプローブで測定す ることを目的として、先に述べた装置で得られるベリリウム同位体イオンをイオ ントラップ中に捕獲・レーザー冷却し精密レーザー分光を行ったので、その結果 についても紹介する。 ---------------------------------