講演者: 藤井 康裕 氏(青山学院大学理工学部) 日時:4月 24日(金) 午後4時30分から 場所: 青山学院大学 理工学部(相模原キャンパス)L棟6階 L603室 題目: 「光で見る構造相転移」 要旨:  リラクサー誘電体における巨大誘電応答や、フェロイックドメイン構造 の導入による物質特性の向上といったフィールドにおいては、系の「不均 一性」が一つのキーワードとなっている。工業的な応用を念頭に置くと、 RoHS指令に対応した非鉛系機能性材料の開発が急務であり、「不均一性」 を積極的に利用した材料開発が急速に進展している。一方、基礎物理学的 な観点からも、不均一系における相転移現象や、機能性発現のメカニズム などは、興味深い研究対象である。 このような系を実験的に研究する場合には、系の変化に極めて敏感な観 測手法や、空間分解能の高い観測法が必要であるが、最近では、電子顕微 鏡、走査プローブ顕微鏡などによる観測が比較的手軽に行えるようになっ てきた他、顕微Raman分光、近接場Raman分光、非線形光学顕微鏡などの光 学測定技術が発展しており、今後の進展が期待されている。 講演では、主に光学的な手法を中心として測定法の特性などを紹介しつ つ、光学的/分光学的なドメイン構造初期形成過程の観測や、共焦点顕微 Raman分光による研究の実際などについて、紹介したいと考えている。 ---------------------------------