講演者: 永田 竜 氏(東京大学ビッグバン宇宙国際研究センター研究員) 日時:4月 18日(金) 午後4時30分から 場所: 青山学院大学 理工学部(相模原キャンパス)L棟6階 L603室 題目: 「マイクロ波背景輻射の観測による構造の起源の探索」 要旨:  現在直接観測可能な最も古い宇宙である 水素原子が中性化する時代(宇宙の晴れ上がり)の温度地図の解析を通じて、 宇宙に存在する構造の起源を探る。 2003年初頭に公開されたNASAのWMAP衛星による全天探査の観測報告は 標準的なインフレーション理論の枠組みを支持する結果であり、 宇宙論コミュニティの初期宇宙観に自信を与える結果となった一方で、 揺らぎスペクトルの赤外遮断、微細構造、冪指数の波長依存性など 幾つかの理論的課題をも提示している。 講演では、観測一年目当初のデータがいかに変遷していったかを 我々の研究チームの解析結果と合わせて振り返ったうえで、 WMAPプロジェクトの最新の観測データにおいて我々が発見した、 スペクトルの微細構造の兆候について紹介する。 ---------------------------------