講演者: 町田 真美 氏(国立天文台) 日時:10月 27日(月) 午後4時30分から 場所: 青山学院大学 理工学部(相模原キャンパス)L棟6階 L603室 *いつもと曜日が異なります。 題目: 「ブラックホール降着円盤の3次元磁気流体数値実験」 要旨:  ブラックホール候補天体はX線強度の短時間変動、X線スペクトルの状態遷移、 ジェットなど様々な活動を示している。これらの活動性の起源はブラックホ ールに回転しながら降着するガス(降着円盤)が解放する重力エネルギーであ ると考えられている。回転しているガスが中心に落下するためには、摩擦 が必要である。この摩擦を生み出す粘性の起源は降着円盤理論の長年の 謎であった。1990年代はじめに、差動回転円盤中で成長する磁気不安定性が 粘性を説明できる可能性を指摘された。このような降着円盤について調べる ために、降着円盤全体を含む大局的な3次元磁気流体数値実験を行った。 その結果、たとえ最初は弱い磁場であっても、磁気回転不安定性によって磁場は増 幅されること、磁場がある程度まで強くなると一定の値に維持されること、磁場 によって作られる乱流が降着円盤の粘性の起源であることが示された。 X線観測衛星の発達により、X線連星やAGNのX線光度時間変動の詳細な観測結果が 多数得られるようになってきた。特にブラックホール連星の状態遷移に関しての 解析が進み、 色々な事が明かになっている。観測結果と理論モデルを 比較しながら、降着円盤状態について説明する。 ---------------------------------