講演者: 北野 晴久 氏(青学大理工) 日時: 4月 18日(金) 午後4時30分から 場所: 青山学院大学 理工学部(相模原キャンパス)L棟6階 L603室 題目: 「固有ジョセフソン接合における量子ビット構築の可能性」 要旨: 近年,将来の量子コンピューター実現に向けた研究が急速に 活発化しています.その有力候補の一つである超伝導量子ビットは, 数十ミリケルビンの極低温下でしか実験が行われておらず,将来の 実用化に向けて大きな障害になるものと予想されます.私はこの問 題に対し,超伝導転移温度が従来超伝導体より一桁以上高い高温超 伝導体の潜在的優位性に着目し,高温超伝導体の層状結晶構造に起 因する固有ジョセフソン接合を量子ビットに用いるための研究を続 けてきました. 本コロキウムでは,約3年半にわたる研究を概観し,超伝導量子ビ ット構築への第一歩となる巨視的量子トンネル現象の観測,第二の ステップとなる離散化量子準位の観測について,我々の実験結果を 中心に紹介したいと思います.また,固有ジョセフソン接合特有の 興味深い問題にも触れ,従来超伝導体のジョセフソン接合をベース にした超伝導量子ビット研究の現状と高温超伝導体の固有ジョセフ ソン接合系の今後の展開についても議論したいと思います. --------------------------------- 共催: 青山学院大学 理工学会