講演者: 糸井 充穂 氏(青学大理工) 日時: 12月 14日(金) 午後4時30分から 場所: 青山学院大学 理工学部(相模原キャンパス)L棟6階 L603室 題目: 「光誘起相転移現象を示すコバルト−鉄シアノ錯体の多重安定相」 要旨: 近年、光誘起相転移現象を示す機能性金属錯体が多数報告され、新しい光・磁気材料としての注目を集めている。 その中でプルシアンブル−類似体は、Co−Feシアノ錯体薄膜における光誘起磁性転移(1996年)を皮切りに、 その単純な構造と多彩な物性から、多くの研究者を魅了してきた。この物質における光誘起相転移は、 コバルト−鉄間における電荷移動CoIII(LS)-NC-Fe(II)(LS)⇔CoII(HS)-NC-FeIII(LS)の光制御による磁性転移である。 我々はCo-Feシアノ錯体における光誘起状態と熱励起された状態の違いを明らかにするため 、K0.4[Co1.3Fe(CN)6]・4.7H2Oの異なる熱冷却過程から引き出される多重相に着目し、その更なる光誘起相との 違いを緩和現象および構造面から明らかにする試みを行った。本公演では金属錯体における光誘起相転移現象について 触れた後、コバルト-鉄シアノ錯体の光誘起磁性状態とは何かを議論する。 --------------------------------- 共催: 青山学院大学 理工学会