講演者: 白浜 圭也 氏(慶應義塾大学理工学部) 日時: 7月 14日(金) 午後4時30分から 場所: 青山学院大学 理工学部(相模原キャンパス)L棟6階 L603室 題目:「固体ヘリウムの「超流動」?」 要旨: 超流動や超伝導は、巨視的な数の粒子がただ一つの状態を占有することによって生じ る量子多体現象である。これらは通常、粒子の位置交換が頻繁に起こる液体や気体の 状態でないと起こらない。しかし、固体ヘリウム(4He)のように極低温でも原子の位置 交換が頻繁に起こる「量子固体」では、超流動(ボース・アインシュタイン凝縮)が起 こっても良いのではないか? このような「超流動固体」(Supersolid)の可能性は、約 40年前からアンドレエフやレゲットらにより提唱されていた。 2004年にペンシルバニア州立大学のキム(Eunseong Kim)とチャン(Moses Chan)は、固 体ヘリウム4が0.2 K以下で「超流動」状態のように振る舞うことを発見した。この発 見は、これまで理論家の想像の産物にすぎなかった「超流動固体」が、初めてその明 確な姿を現したのではないかということで、大変な注目を集めている。このコロキウ ムでは、超流動固体研究の現状について、超流動現象・量子固体に関する平易な解説 や私たちの実験結果も併せて紹介したい。 --------------------------------- 共催: 青山学院大学 21世紀COEプログラム