講演者: 櫻井 明夫 氏(京都産業大) 日時: 11月 24日(金) 午後4時30分から 場所: 青山学院大学 理工学部(相模原キャンパス)L棟6階 L603室 題目:「超伝導リングの量子像・古典像」 要旨: 一般に超伝導リングには永続的な周回電流を誘起することができるが、 微細加工技術で作られたリングがジョセフソン接合を含むとき、互いに 逆周りの電流の重ね合わせ状態が実現できる。このコヒーレントなマク ロな量子状態を量子ビットとして利用しようと、NTTをはじめNEC、Delft Univ.などで盛んに研究が行われてきた。この講演ではそれらの特徴を紹 介しながら、提起された理論的課題を検討する。 超伝導リングは環境との結合によりコヒーレンスを消失しやすく量子 力学的重ね合わせ状態から古典的な局在状態への移行が起こりうる。ま たリングの状態を測定するのはリングをとりまくSQUIDでありこれも量子 系である。この複合系が二系の直積状態であるかentangled stateである か、あるいは古典的な混合状態になるかで測定の状況が変わってくる。 “観測の結果、量子状態はオブザーバブルの固有状態に射影される”と いう教科書的記述は正しいであろうか。 --------------------------------- 共催: 青山学院大学 21世紀COEプログラム