講演者: 中村 統太 氏(芝浦工大工) 日時: 10月 20日(金) 午後4時30分から 場所: 青山学院大学 理工学部(相模原キャンパス)L棟6階 L603室 題目:「非平衡緩和法によるフラストレート・ランダムスピン系の研究」 要旨: 磁性体などの理論研究のために、モンテカルロシミュレーションが用いられる ことが良くあります。これは、計算機の中に対象となる物理系を仮想的に構築 し、いろいろな物理量を直接測定することによって、相転移などを明らかにす る方法です。 しかし、フラストレーションやランダムネスのある系に応用すると、なかなか 平衡状態に緩和しない困難が現れます。非平衡緩和法は、このなかなか緩和し ない非平衡状態の性質を詳細に調べることによって、最終的な平衡状態の性質 を知ることの出来る方法です。基本的な考え方は、時間と空間の∞の極限を従 来の方法とは逆にとることです。ですから従来法とも相補的な関係にあると言 えます。また、サイズ効果の強い非整合の出る系や連続スピン系などに有効で す。 本講演では、非平衡緩和法の入門から始め、スピングラスやパイロクロア系な どへの最近の応用までを紹介し、今後の展望を議論したい。 --------------------------------- 共催: 青山学院大学 21世紀COEプログラム