講演者: 川口 俊宏 氏(青学大理工 物理・数理) 日時: 7月 7日(金) 午後4時30分から 場所: 青山学院大学 理工学部(相模原キャンパス)L棟6階 L603室 題目: 「巨大ブラックホールの成長へのガス降着: 自己組織化臨界状態とブラックホールの成長」 要旨: 様々な研究から、ほぼ全ての銀河の中心には、太陽質量の何十億倍 もの質量を持つ巨大ブラックホールが鎮座することがわかってきま した。巨大ブラックホールに星間ガスが落ちる(降着する)と、太陽系 程度の大きさの領域から、銀河全体の放射を上回る莫大なエネルギー を放射し、活動銀河核と呼ばれます。 まず、活動銀河核の明るさの時間変化を説明するべく構築された、 ガス降着流のセルオートマトンモデルを紹介します。 次に、そもそも巨大ブラックホールはどうやって出来たのか、とい う根本的な謎を解き明かす鍵と期待される天体現象を話します。 ガス降着率が大きければ巨大ブラックホールは急速にその質量を 増加させているはずです。実際、原始活動銀河核と考えられる そういう天体が、近年、観測的・理論的に注目を集めてきています。 原始活動銀河核特有の物理過程・観測される放射スペクトルとの 比較など我々の研究を報告した後、観測計画についても 簡単に紹介します。 --------------------------------- 共催: 青山学院大学 理工学会