講演者: 戎崎 俊一 氏(理研) 日時: 12月 20日(水) 午後4時30分から 場所: 青山学院大学 理工学部(相模原キャンパス)L棟6階 L603室 題目: 「暴走的合体による高度回転コアの重力崩壊とその分裂と中性子星系の形成」 要旨: 高密度星団の中心では、暴走的合体により1000太陽質量を超える超巨大星が形成 される。合体により外部から角運動量が常に供給されるため、この巨大星は中心 コアまで高度に回転している状態のまま、鉄コアの重力崩壊を迎える。このとき、 コアは遠心力で支えられた薄い自己重力円盤となり、さらにはたくさんの中性子 星・ブラックホールでできた円盤型の星系に進化するはずである。このような系 は重力波を放出しながら1秒程度の時間尺度で縮んで、中心に新たにできたブラッ クホールに吸い込まれると思われる。放出される重力波は、この系のほとんどの エネルギーを持ち去る。またその波形は激しく乱雑ななものになる。 この過程で、多数の中性子星・中性子星衝突が起こるはずである。このときは磁 場のつなぎ換えにより相対論的なジェット形成や粒子加速が進行すると考えられ る。場合によっては、数時間遅れて中性子合体が起こる可能性もある。これらは、 GRBの観測の説明に使われるたくさんのミニジェットの形成や中心エンジンの数 時間遅れの活動をうまく説明できる。このような中性子星系の進化の結果、地球 ・木星程度の惑星や彗星様天体や固体微粒子が中心ブラックホールの周りに残る 可能性もある。 --------------------------------- 共催: 青山学院大学 理工学会