講演者:鈴木 勝 氏(電気通信大学量子・物質工学科) 日時: 4月 22日(金)  午後4時30分から 場所: 青山学院大学 理工学部(相模原キャンパス)L棟6階 L603室 題目: 「ヘリウム吸着膜の界面摩擦」 要旨: マクロスケールの摩擦法則はよく知られてる.しかし原子スケール での摩擦力の性質はよく知られているとは言いがたい.近年,原子 間力顕微鏡等の新しい実験技術の開発と計算機の進歩により,原子 スケールの摩擦の研究が行われている.その中でKrimらは液体窒素 温度において水晶マイクロバランスを用いた測定を行い,貴金属基 板上のKr単原子膜の界面摩擦を報告している.彼女の報告によると Kr膜の摩擦力は大きいながらすべり速度に比例する粘性摩擦の性質 を示し,またその大きさは液相膜より不整合固相膜が小さい.私た ちの研究グループでは,界面摩擦が小さいと期待されるHe膜の界面 摩擦の測定を液体He温度で行っている.これまでの測定によってHe 膜の界面摩擦は貴金属基板上の希ガス吸着膜とは異なる興味深い振 る舞いをすることが明らかになった.コロキウムでは,He膜の界面 摩擦の振る舞いを紹介するとともに,He膜の性質と界面摩擦との関 係についてお話する. --------------------------------- 共催: 青山学院大学 理工学会