講演者: 越野 幹人 氏(東工大院理工) 日時:  1月 11日(水) 午後4時30分から 場所: 青山学院大学 理工学部(相模原キャンパス)L棟6階 L603室 題目:「Quantum transport in the Hofstadter butterfly」 要旨: 強磁場中の2次元電子系は量子ホール効果の舞台として知られる。 各ランダウ準位の電子状態は、乱れによってそのほとんどが局在し、 それによってホール伝導度がe^2/hの整数倍に 極めて正確に量子化される(整数量子ホール効果)。 ところがこの系に2次元(縦横)の周期ポテンシャルを加えると 電子状態は一変する。ランダウ準位はHofstadter butterflyと呼ばれる 奇妙な自己相似構造に変わり、その細かなサブバンドは おのおの固有の量子数に対応した量子化ホール伝導度を運ぶ。 磁場や充填率、乱れに依存して複雑なホール効果が現れることが予想され、 近年になって半導体超格子において実際にその存在が確かめられつつある。 本講演では、磁場中の2次元電子の性質、量子ホール効果の 簡単な導入の後、周期系における量子ホール効果の最近の研究の成果を紹介する。 またHofstadter butterflyが現れる2次元以外の様々な系についても紹介したい。 --------------------------------- 共催: 青山学院大学 21世紀COEプログラム