講演者: 五十嵐 潤一 氏(茨城大理) 日時: 11月 18日(金) 午後4時30分から 場所: 青山学院大学 理工学部(相模原キャンパス)L棟6階 L603室 題目:「4p電子状態とX線分光」 要旨: 遷移金属化合物等で、4p電子状態は、通常その物理的状態に小さな役割しか はたしていない。遷移金属K吸収端を用いた共鳴X線散乱(RXS)の発展により、 最近4p電子状態に新たな光があてられるようになってきている。というのは、 軌道秩序や磁気秩序に対応するRXS超格子点強度は,4p電子状態の変調により生じ るからである。4p電子状態は実空間で広がっているため、固体中では周りの電子 状態に敏感である。この特徴が、軌道秩序超格子点強度については格子歪みによ り、また、磁気超格子点強度は周りの3d軌道分極により生じるという、RXSの機 構を決定している。軌道秩序や磁気秩序を示す典型例をとりあげ、バンド計算の 解析に基づき、上の機構を論証する。最後に、K吸収端における磁気円二色性の 研究にふれ、同じ機構が働いていることを論証する。 --------------------------------- 共催: 青山学院大学 21世紀COEプログラム