講演者: 小池上 繁氏(アドバンスソフト株式会社) 日時:  10月22日(金) 午後4時30分から 場所: 青山学院大学 理工学部(相模原キャンパス)L棟6階 L603室 題目:「銅酸化物高温超伝導体における非一様性」 要旨: 銅酸化物高温超伝導体を対象として非一様性を考慮した研究を2つ紹介する。 1/8フィリング近傍におけるストライプ状態を念頭においてCuO2の2次元面 内におけるスピン・電荷密度分布の非一様性を考慮した解析を行った。その 結果、1/8フィリング近傍においては非一様な揺らぎの影響により動的スト ライプ状態を取りうることを確認した。また、電子ドープの場合にも非一様 な揺らぎの影響を考慮することで角度分解光電子分光により観測されている 電荷ドープに伴うフェルミ面の変形と一致する結果が得られた。2) 多層型 銅酸化物を念頭において各層の電荷分布の非一様性を考慮した解析を行った 。層の枚数を変化させたときの超伝導ギャップの大きさを弱結合理論の範囲 で調べたところ、層の枚数とともにd波超伝導のギャップが増大し、大きな ギャップを持つキャリアドープ領域が広がってゆくことが明らかになった。 これについては各層における電荷分布の非一様性を物質設計により制御する 可能性についても議論したい。 --------------------------------- 共催: 青山学院大学 21世紀COEプログラム