講演者: 阿部 二朗(青学大理工・化学) 日時: 11月28日(金) 午後4時30分から 場所: 青山学院大学 理工学部(相模原キャンパス)L棟6階 L603室 題目:「有機フォトクロミック分子系による固体物性光制御」 要旨: 光照射による物質の局所的構造変化の累積効果として、物質全体の巨視的な構造変化 が引き起こされる現象は光誘起構造相転移として知られている。無機物質ではCdMnTe での光誘起常磁性−強磁性相転移、SrTiO3での光誘起常誘電−強誘電性相転移、プル シアンブルー類似体における光誘起強磁性・転移温度光制御などが知られているが、 有機物質では有機電荷移動型錯体結晶での光誘起イオン性−中性構造相転移がある。 演者は有機フォトクロミック化合物であるヘキサアリールビスイミダゾール誘導体の 単結晶に光照射することで生成する光誘起安定三重項ラジカル対の分子構造と電子構 造を世界に先駆けて明らかにし、この分子レベルでの光誘起反磁性−強磁性転移を利 用したスピン状態光制御について検討してきた。講演では、この光誘起安定三重項ラ ジカル対を利用した磁性光制御、表面スピン状態光制御などの固体物性光制御へのア プローチについて紹介する。 --------------------------------- 共催: 青山学院大学 21世紀COEプログラム