青山学院大学 物理学科 コロキウム

2001年度 第20回

下記の通りコロキウムを企画致しました。講演者の方には、学生や分野の違う方にもわかるレベルから始めて下さるようにお願いしてあります。是非ともご参加下さいますよう、ご案内申し上げます。

なお、今後の予定については www.phys.aoyama.ac.jp/seminars/ を御覧下さい。 また理工学部キャンパスへの交通についてはwww.phys.aoyama.ac.jp/maps/を御覧下さい。
 

(世話人・羽田野 直道・学外からは03-5384-2642・学内からは23107)


講演者:尾関 之康 氏(東京工業大学・理工学研究科・物性物理学専攻)

日時: 1月11日(金) 午後4時半から
場所: 青山学院大学 理工学部(世田谷キャンパス) 一号館 5階 1538号室

講演題目: 非平衡緩和法による相転移研究
要旨:
非平衡緩和法は、非平衡過程を利用した平衡相転移の数値解析法です。 「相の特定」、「相転移温度の評価」、「臨界指数の評価」を可能にします。 平衡相転移の研究では、平衡状態を生成して解析する平衡モンテカルロ法が一般的に用いられ、様々な成果をあげています。 しかし、低次元系の臨界領域やフラストレ−ション系の低温領域では、系の緩和が非常に遅くなり平衡状態の生成の手間のため、解析が困難に成る例が多くなります。 非平衡緩和法では、系が平衡状態に達する前の非平衡過程を解析するので、このような困難にあまり影響されません。 この方法は、典型的な強磁性転移のみならず、KT、スピングラス、カイラル、量子といった相転移にも適用可能で、様々な成果をあげています。 本講演ではこうした非平衡緩和法について現状を紹介し、今後を展望したい。


共催・青山学院大学 理工学会 物理学分科会