2001年度 第13回
下記の通りコロキウムを企画致しました。講演者の方には、学生や分野の違う方にもわかるレベルから始めて下さるようにお願いしてあります。是非ともご参加下さいますよう、ご案内申し上げます。
なお、今後の予定については www.phys.aoyama.ac.jp/seminars/
を御覧下さい。 また理工学部キャンパスへの交通についてはwww.phys.aoyama.ac.jp/maps/を御覧下さい。
講演者:妹尾 仁嗣 氏(産業技術総合研究所・強相関電子技術センター)
日時: 10月12日(金) 午後4時半から
場所: 青山学院大学 理工学部(世田谷キャンパス) 一号館 5階 1538号室
講演題目: マグネタイトは電荷秩序系ではなかった
要旨:
マグネタイト(=Fe3O4)は人類が発見した最古の磁性体として名高く、
磁性材料として実用上重要なスピネル型フェライトの中の1つである。
基礎物性物理の分野でも、
温度120Kでおこる金属絶縁体転移は典型的な電荷秩序転移
(室温付近で+2.5価であったFeイオンが転移温度以下で+2価と+3価の2種類のオンに分かれる転移)
として興味を持たれてきた。
しかし、1939年にVerwayによってこの相転移が発見されて以来膨大な研究がされてきているにもかかわらず、
2種類のイオンの配置が決定されないなど問題は全く解決していない。
我々は、最近実験的に示唆された低温での電荷秩序の存在の 否定 をもとに、
電荷秩序とはまったく別のメカニズムを理論的に提唱し、このナゾを解き明かしたい。
共催・青山学院大学 理工学会 物理学分科会