青山学院大学 物理学科 コロキウム

2001年度 第10回

下記の通りコロキウムを企画致しました。講演者の方には、学生や分野の違う方にもわかるレベルから始めて下さるようにお願いしてあります。是非ともご参加下さいますよう、ご案内申し上げます。

なお、今後の予定については www.phys.aoyama.ac.jp/seminars/ を御覧下さい。 また理工学部キャンパスへの交通についてはwww.phys.aoyama.ac.jp/maps/を御覧下さい。
 

(世話人・羽田野 直道・学外からは03-5384-2642・学内からは23107)
(この連絡を定期的に受け取りたい方は世話人までご連絡下さい。)



講演者:青野 友祐 氏(東邦大学・物性理論教室)

日時: 7月6日(金) 午後4時半から
場所: 青山学院大学 理工学部(世田谷キャンパス) 一号館 5階 1538号室

講演題目: 量子ドット系における近藤効果
要旨: 半導体微細加工技術の進展により、フェルミ波数程度の微細構造物である量子ドットが作成され、その電気伝導特性が議論されている。 量子ドットにおいては、電子の閉じ込めに伴う一電子準位と電子間相互作用が共存している。 このような量子ドットの電子状態は、原子と似た振る舞いをすることから、しばしば「人工原子」と呼ばれる。 最近になり、この量子ドット系において、磁性不純物における近藤効果に対応した現象が起こることが実験的に報告されている。 量子ドット内の電子数が奇数の場合に、ドット内電子が局在スピンの役割を果たし、電極電子との間で近藤状態を形成する。 このときの電気伝導は、高温の場合に比べて著しく増大する。

本講演では、単一量子ドットにおける近藤効果についての最近の実験や理論について説明する。 また、量子ドットを2つ結合した「人工分子」における近藤効果についての考察も紹介したい。


共催・青山学院大学 理工学会 物理学分科会