青山学院大学 物理学科 コロキウム

2001年度 第6回

下記の通りコロキウムを企画致しました。講演者の方には、学生や分野の違う方にもわかるレベルから始めて下さるようにお願いしてあります。是非ともご参加下さいますよう、ご案内申し上げます。

なお、今後の予定については www.phys.aoyama.ac.jp/seminars/ を御覧下さい。 また理工学部キャンパスへの交通についてはwww.phys.aoyama.ac.jp/maps/を御覧下さい。
 

(世話人・羽田野 直道・学外からは03-5384-2642・学内からは23107)
(この連絡を定期的に受け取りたい方は世話人までご連絡下さい。)



講演者:村尾 美緒 氏(理化学研究所・半導体工学研究室)

日時: 6月1日(金) 午後4時半から
場所: 青山学院大学 理工学部(世田谷キャンパス) 一号館 5階 1538号室

講演題目: 量子情報とエンタングルメント
要旨: 近年、量子力学を利用した新しいタイプの情報処理―量子情報処理―が注目されている。 量子情報処理は、量子系の状態で表される「量子情報」をうまく用いて古典的情報を用いたのでは不可能(もしくは不得意)なことを行うもので、現在までに量子計算・量子暗号・量子通信等が考案されている。 一方、エンタングルメント(entanglement)とは、複数の部分系からなる量子系において、個々の部分系状態の積では表されないような「分離不能な状態」に現れる非局所的相関である。 古典系には存在しない量子系に特有の相関であるので、量子相関(quantum correlation)と呼ばれることもある。 エンタングルメントは、古典的には不可能な情報処理を可能とするリソース(資源)と考えられ、その重要性が増している。

そこで本講演では、量子情報とエンタングルメントの基本的な性質を提示し、エンタングルメントを用いた量子情報処理の最も基本的な例である量子テレポテーションの原理を説明する。 更に時間があれば、複雑な量子演算をエンタングルメントを用いて行うテレクローニングについてもふれる。


共催・青山学院大学 理工学会 物理学分科会