青山学院大学 物理学科 コロキウム

2001年度 第5回

下記の通りコロキウムを企画致しました。講演者の方には、学生や分野の違う方にもわかるレベルから始めて下さるようにお願いしてあります。是非ともご参加下さいますよう、ご案内申し上げます。

なお、今後の予定については www.phys.aoyama.ac.jp/seminars/ を御覧下さい。 また理工学部キャンパスへの交通についてはwww.phys.aoyama.ac.jp/maps/を御覧下さい。
 

(世話人・羽田野 直道・学外からは03-5384-2642・学内からは23107)
(この連絡を定期的に受け取りたい方は世話人までご連絡下さい。)



講演者:針谷 喜久雄 氏(産業技術総合研究所ナノテクノロジー研究部門)

日時: 5月25日(金) 午後4時半から
場所: 青山学院大学 理工学部(世田谷キャンパス) 一号館 5階 1538号室

講演題目: 炭素系新物質に関する話題
要旨:フラーレンやカーボンナノチューブ,ナノグラファイトといった炭素系新物質に関して,物性理論研究を行っている. はじめに,フラーレンやカーボンナノチューブに関して,発見史を交えながら,それらの格子構造と幾何,電子状態との関係などをレビューする. 次に,フラーレン系の励起子効果と光物性に関した理論研究を紹介する. 実験との関係を密接に議論する. 金属的カーボンナノチューブでは,フェルミ面での散乱チャンネルが2チャンネルあるため,磁性不純物効果を考えると,低温にて擬ギャップを生むといった,多チャンネル近藤効果の可能性が理論的に考えられる. 1不純物系に関して議論する.また,ナノメートルサイズの大きさのグラファイト系では,端に局在した特異な電子状態が磁性や輸送現象に密接に関わることが理論的に指摘されている. ナノグラファイト系において,積層効果を考えて磁性に関して理論計算を行った結果を紹介する.

(謝辞:フラーレン系の励起子効果と光物性は,産総研阿部修治氏との共同研究です. また,ナノグラファイト系に関しましては,東工大榎研究室の方々と,密接に議論していただいております.)


共催・青山学院大学 理工学会 物理学分科会