青山学院大学 物理学科 コロキウム

2001年度 第3回

下記の通りコロキウムを企画致しました。講演者の方には、学生や分野の違う方にもわかるレベルから始めて下さるようにお願いしてあります。是非ともご参加下さいますよう、ご案内申し上げます。

なお、今後の予定については www.phys.aoyama.ac.jp/seminars/ を御覧下さい。 また理工学部キャンパスへの交通についてはwww.phys.aoyama.ac.jp/maps/を御覧下さい。
 

(世話人・羽田野 直道・学外からは03-5384-2642・学内からは23107)



講演者:安永 卓生 氏(東京大学・理学系研究科)

日時: 5月11日(金) 午後4時半から
場所: 青山学院大学 理工学部(世田谷キャンパス) 一号館 5階 1538号室

講演題目: 構造から探るアクチン・ミオシン系モータータンパク質のエネルギー変換の分子機構
要旨:生物は、アデノシン3リン酸(ATP)が加水分解される際に解放される化学エネルギーを使って、多様な機能を発現している。 その機能を担うものはタンパク質である。 モータータンパク質は、タンパク質のうち、化学エネルギーを力学エネルギーに変換することのできるものの事をいう。 アクチン・ミオシンという二つのタンパク質は、力学反応に関して特化した器官である筋肉の収縮を担うモータータンパク質である。 これらのタンパク質は、細胞運動・細胞分裂・細胞の形態形成・細胞内の物質の輸送など、筋収縮以外の多くの生物活性を担っている。

エネルギー変換の分子機構を考える際に、大きく二つの考え方が提唱されている。 一つは、ガソリンエンジンの様に化学反応と動きが直接共役している考え方と、熱揺らぎを積極的に利用するマックスウェルのデーモン型の考え方である。 我々は、電子顕微鏡や蛍光エネルギー移動法などの構造生物学的手法を用いて、そのエネルギー変換の分子機構について研究してきた。 本講演では、アクチン・ミオシン系モータータンパク質のエネルギー変換の分子機構に関する最近の知見について、我々自身の仕事も含めて、紹介する。


共催・青山学院大学 理工学会 物理学分科会