2000年度 第31回
下記の通りコロキウムを企画致しました。講演者の方には、学生や分野の違う方にもわかるレベルから始めて下さるようにお願いしてあります。是非ともご参加下さいますよう、ご案内申し上げます。
なお、今後の予定については www.phys.aoyama.ac.jp/seminars/
を御覧下さい。 また理工学部キャンパスへの交通についてはwww.phys.aoyama.ac.jp/maps/を御覧下さい。
講演者:重里 有三 氏(青山学院大学理工学部化学科)
日時: 12月22日(金) 午後4時半から
場所: 青山学院大学 理工学部(世田谷キャンパス) 一号館 5階 1538号室
講演題目: 機能性無機薄膜の世界−−−合成と応用
要旨:
様々な酸化物や窒化物の無機薄膜のなかには、多様でユニークな物性をもつもの
が多数存在している。 例えば、電気物性としては絶縁特性を有する誘電体薄
膜、イオン伝導性を有する薄膜、ワイドバンドギャップを有する半導体薄膜、金
属並の電気伝導性を有する縮退半導体薄膜から高温超伝導特性を有する薄膜等が
知られている。 これらの無機薄膜は、エネルギー高効率化のための重要な役割
を担っているジャイアントマイクロエレクトロニクス(太陽電池、省エネルギ−
型の平面型ディスプレイ、他)、半導体デバイス、光エレクトロニクス等の分野
で実用化のための研究開発が活発に行われている。 また、様々な光学特性、磁
気特性、光触媒特性、機械特性、耐腐食性を有する無機薄膜も存在しており、そ
の応用の範囲は非常に幅が広い。 今日、エネルギー高効率化に関する、これら
の複数の分野に於ける技術革新のためのキー材料として、極めて高度な物性・構
造を有する無機薄膜の合成方法、構造・物性解析方法の確立が切望されている。
コロキウムでは、無機薄膜の作製法として、固体原料を蒸発やスパッタリング
(イオンを固体表面に照射し、たたき出すこと)によって気化させたものを凝集
させる物理気相成長(PVD:Physical Vapor Deposition)法に関して説明する。
さらに、透明導電膜を中心として薄膜成長プロセスと薄膜構造、薄膜の物性と
の相関関係に関する解説を行いたい。
共催・青山学院大学 理工学会 物理学分科会