青山学院大学 物理学科 コロキウム

2000年度 第23回

下記の通りコロキウムを企画致しました。講演者の方には、学生や分野の違う方にもわかるレベルから始めて下さるようにお願いしてあります。是非ともご参加下さいますよう、ご案内申し上げます。

なお、今後の予定については www.phys.aoyama.ac.jp/seminars/ を御覧下さい。 また理工学部キャンパスへの交通についてはwww.phys.aoyama.ac.jp/maps/を御覧下さい。
 

(世話人・羽田野 直道・学外からは03-5384-2642・学内からは23107)



講演者:鈴木 芳治 氏(無機材質研究所)

日時: 10月6日(金) 午後4時半から
場所: 青山学院大学 理工学部(世田谷キャンパス) 一号館 5階 1538号室

講演題目: 水のポリアモルフィズムとその水溶液系への応用
要旨:
我々の日常生活に於いて、水は欠くことのできない物質であるにもかかわらず、水の 「4℃密度極大」などの水の奇妙な振る舞いや、タンパク質の3次構造の発現におけ る「水の役割」等を明確に説明できる統一的な理論やモデルはまだ確立されていない 。この水の諸問題を明らかにすることは、物理学の分野にとどまらず、自然科学全般 において重要である。

最近の過冷却温度領域での液体の水に関する研究で、水には低温で低密度の液体( Low Density Liquid : LDL)と高密度の液体(High Density Liquid : HDL)の2つ 液体が存在する可能性が指摘されている。この2つの異なる構造の液体の存在を考慮 するコンセプトを「水のポリアモルフィズム」という。この新しいモデルは、現時点 で液体の水に関する様々な現象を説明できる有力なモデルの1つであると考えられて いる。

今回のコロキュームでは、「水のポリアモルフィズム」を実験結果を中心に紹介し、 このモデルの水溶液系への応用として、低濃度の水溶液ガラスの溶媒構造についてお 話ししたい。


共催・青山学院大学 理工学会 物理学分科会