青山学院大学 物理学科 コロキウム

2000年度 第10回

下記の通りコロキウムを企画致しました。講演者の方には、学生や分野の違う方にもわかるレベルから始めて下さるようにお願いしてあります。是非ともご参加下さいますよう、ご案内申し上げます。

なお、今後の予定については www.phys.aoyama.ac.jp/seminars/ を御覧下さい。 また理工学部キャンパスへの交通についてはwww.phys.aoyama.ac.jp/maps/を御覧下さい。
 

(世話人・羽田野 直道・学外からは03-5384-2642・学内からは23107)



講演者:住 斉 氏(筑波大学・物質工学系)

日時: 6月29日(木) 午後4時半から [いつもと曜日が異なります]
場所: 青山学院大学 理工学部(世田谷キャンパス) 一号館 5階 1538号室

講演題目: 光合成;生命現象において量子力学コヒーレンスが重要になる初めての例
要旨:
光合成細菌の光合成アンテナ系を構成する蛋白質・色素複合体の立体構造は1995 年に解明された。そこにおける非常に高い回転対称性を持つ色素列は、その美しさと 共に、生物研究者のみならず化学者および物理学者に至る広い関心を引きつけ、非常 に多くの研究が捧げられるようになった。生命の神秘を司る根元的な構造がこのよう に美しいもであることは、生命現象をミクロな視点から研究する姿勢に対する自信を 大いに強めさせた。昨年から今年にかけて、この系においては多数の色素上にまたが る量子力学コヒーレンスを持った電子励起が存在し、それが機能に必須な役割を演じ ているいることが、実験的にも理論的にも明らかにされた。量子力学コヒーレンスが 生体機能で重要な役割を演ずる初めての例である。これら研究の経緯つき解説する。


共催・青山学院大学 理工学会 物理学分科会