下記の通りコロキウムを企画致しました。講演者の方には、学生や分野の違う方にもわかるレベルから始めて下さるようにお願いしてあります。是非ともご参加下さいますよう、ご案内申し上げます。

なお、今後の予定については www.phys.aoyama.ac.jp/seminars/ を御覧下さい。 また理工学部キャンパスへの交通についてはwww.phys.aoyama.ac.jp/maps/を御覧下さい。
 

講演者：湯川　諭　氏（東京大学・工学部）

日時： ６月９日（金）　午後４時半から
場所： 青山学院大学　理工学部（世田谷キャンパス）　一号館　５階　１５３８号室

講演題目： 交通流の物理
要旨：
我々が日常よく経験する交通渋滞というものは、動的な相転移をともなう非平衡 現象のもっとも身近な例の一つである。そのようなあまりに日常的な交通渋滞を 物理的に考えるということを聞くと、一見、変な気がするかも知れない。 しかし、交通流を相互作用をおこなう離散的な要素が引き起こすマクロな現象で あると捉えると、様々な現象が見えてくるようになる。たとえば、交通流に存在 する冪乗則に従う揺らぎなどは、粉体の流れにも観測されており普遍的な現象の 一つであると思われている。このような状況をふまえ、近年、交通流をキーワー ドとして、様々な物理の分野での研究が盛んに行われている。
本講演では交通流に内在する物理現象を紹介するとともに、歴史的に理解がどのよ うに深まったのか、また現在の認識、最新の観測データと現状の問題点などを紹 介したい。