下記の通りコロキウムを企画致しました。講演者の方には、学生や分野の違う方にもわかるレベルから始めて下さるようにお願いしてあります。是非ともご参加下さいますよう、ご案内申し上げます。

なお、今後の予定については www.phys.aoyama.ac.jp/seminars/ を御覧下さい。 また理工学部キャンパスへの交通についてはwww.phys.aoyama.ac.jp/maps/を御覧下さい。
 

講演者：古川　信夫　氏（青山学院大学・理工学部）

日時： ６月２日（金）　午後４時半から
場所： 青山学院大学　理工学部（世田谷キャンパス）　一号館　５階　１５３８号室

講演題目： 超並列計算機を用いた強相関電子系のシミュレーション −−設計、組立から物理計算まで−−
要旨：
当学科で構築に成功したAoyama PlusＰＣクラスター並列計算機システムの 概要と、それを用いた二重交換模型のモンテカルロ法によるシミュレーションの 結果を紹介する。 Aoyama Plusは、「今ここにあるアキバ系スーパーコンピュータ」を開発コンセプトに、市販のパソコン（ＰＣ）の部材を購入・組立によって大型並列計算機システムを所有しようと言う計画である。 現状で入手可能な最もコストパフォーマンスに優れた部材を選択することにより、限られた予算のなかで高性能な計算機を占有することが可能である。 この結果、共同利用研究所などのスーパーコンピュータを時分割で共有するよりも高い計算処理能力を得ることができた。 我々はこの計算機の性能を利用して、二重交換模型とよばれる巨大磁気抵抗物質の３次元電子系モデルを計算し、近似の入らない結果としては世界で初めて有限温度磁気相転移の振る舞いを見積もることに成功した。 講演では今後の並列計算機プロジェクトの進め方やこのシミュレーションを用いた物性研究についてもふれる予定である。