Iron chalcogenide superconductors

鉄カルコゲナイド超伝導体は、2000年代後半に発見された鉄系超伝導体の中で際立った特徴を示す物質の一つです。 鉄(Fe)とカルコゲン(X =S,Se,Teなどの16族元素)からなる四面体層FeX4が単純に積層した 極めて単純な結晶構造にもかかわらず、圧力印加や電気化学的手法(層間スペーサ分子の挿入やイオン液体による電気二重層形成を用いた電界キャリア注入)によってTcが大幅に上昇します。Se(セレン)を同族元素のTe(テルル)で一部置換したFeTe1-xSexでは、量子力学的なスピン軌道相互作用が増強され、柔らかい幾何学を意味する”トポロジー”の概念が登場する「トポロジカル量子計算」の有力候補になり得る興味深い性質が実証され、最近、特に強い注目を集めています。北野研究室では、自己フラックス法によるFeTe1-xSexの単結晶作製(下図)とその高品質化をベースに、基礎物性の解明とジョセフソン接合素子の作製に取り組んでいます。

FeTeSesinglecrystal

Fe(Te,Se)単結晶