■ 2.2.x系カーネルの特徴

◆ SMP(Symmetirc Multi Processor:対称型マルチプロセッサ)

Linux kernel 2.2ではSMP(Symmetric Multi Processor:対称型マルチプロセッサ)への対応(16プロセッサまで対応)が本格的なものとなった。SMP自体は2.0でもサポートしていたが、プロセス単位でのスケージュリングであった。2.2ではスレッド単位のスケージュリングとなり、パフォーマンスの向上が期待される。ただ本当に効率よく、SMPを利用するには、プログラムがスレッド対応でなければならないが、その数は少ない。

◆ CPU

Intelおよびその互換CPUに関してもいうまでもないが、Sparc, Sparce64, Alphaをはじめ、MIPS, M68000系, PowerPCなど数多くのCPUに対応している。

◆ kmod

デバイスドライバのモジュール化がよりいっそうなされ、IDEサブシステムなどをはじめ、多くのデバイスのモジュール化ができるようになった。それに伴い、動的なデバイスドライバモジュールのロード、アンロードを担当していた、kerneldは機能はkmodとしてカーネルに取り込まれた。

◆ File System

ファイルシステムはdcacheの改善により、パフォーマンスが向上している。また、NFSのサーバー、およびクライアント機能もカーネルにとりこまれている。さらに分散ファイルシステムCode(http://www.coda.cs.cmu.edu/)のクライアント機能もサポートしている。

◆ IrDA/USB

IrDAとUSBは、まだまだ限定的ではあるが、一部サポートされている。

■ 2.2.x系カーネルのインストール

slinkでのデフォルトカーネルは2.0.36です。SMP機能を十分利用する意味でも2.2.x系カーネルをインストールする必要があります。

◆ カーネルソースの入手

linuxのカーネルソースはftp://ftp.jp.kernel.org/pub/linux/などから入手できます。
1999/06/24現在の安定版最新バージョンは2.2.10です。

◆ debパーケージの作成・インストール

カーネルソースlinux-2.2.x.tar.gzを適当なディレクトリに展開します。

# tar zxvf linux-2.2.10.tar.gz -C/usr/local/src

展開したディレクトリにいどうして、sourceのdebパッケージを作成します。
make config(menuconfig, xconfig)を行っていない場合はここで質問がでるので答えていく。

# cd /usr/local/src/linux
# make-kpkg kernel-source

kernl-source-2.2.10.debが作成されるのでdpkgを用いてインストールする。

# dpkg -i kernel-source-2.2.10.deb

/usr/src/kernel-source-2.2.10.tar.gzがインストールされるので、ソースファイルを展開する。

# cd /usr/src
# tar zxvf kernel-source-2.2.10.tar.gz

カーネルをコンパイルし、インストールする。

# cd /usr/src/linux
# make xconfig
# make-kpkg clean
# make-kpkg --revision xxxxx kernel-image
# cd /usr/src
# dpkg -i kerel-image-2.2.10-xxxxx.deb

■ 2.2.x系kernelでアップデートが必要なパッケージ一覧

slinkで2.2.x系のkernelを使用する場合は、以下のパッケージをアップデートする必要があります。

パッケージ名 要求バージョン Slink Potato
util-linux 2.9i 2.9g 2.9i
dosemu 0.98.4 0.98.1 0.98.5
pcmcia-cs 3.0.7 3.0.5 3.0.9
sysutils 1.3.4 1.3.2 1.3.4
dhcpcd

-
0.7 1.3.17p12
dhcp-client-beta

-
2.0b1pl6 2.0b1p18

debパーケージ[ftp://cosmos.phys.aoyama.ac.jp/pub/Linux/debian/updates-personal/(学内のみ)]