講演者:竹村 剛一氏(横浜市立大学) 日時:6月 26日(金) 午後4時30分から 場所: 青山学院大学 理工学部(相模原キャンパス)L棟6階 L603室 題目: 「ホインの微分方程式とパンルヴェ方程式」 要旨:  ガウスの超幾何微分方程式は数学や理論物理においてさまざまな場面で現れる 微分方程式であるが、これは三点に確定特異点をもつ二階の線形常微分方程式の 標準形である。この微分方程式の解は超幾何関数を用いて表され、解の大域的な 様相も詳しく調べられている稀有なものである。 ホインの微分方程式は、四点に確定特異点をもつ二階の線形常微分方程式の標準 形である。アクセサリーパラメーターと呼ばれるものを含んでいる事情もあって、 解の大域的な様相を明示的に調べることはガウスの超幾何微分方程式の場合と比 べて格段に困難となっている。 ところで、パンルヴェ方程式は特別な形をした二階の非線形常微分方程式である が、その解は極以外に動く特異点をもたないという著しい性質をもっている。ま た、四点に確定特異点をもつ二元一階線形微分方程式系からモノドロミー保存変 形によりパンルヴェ方程式が導出されることが知られている。 本講演では、四点に確定特異点をもつ二元一階線形微分方程式系とホインの方程 式の関係を説明することを主題とする。このための道具立てとしてパンルヴェ方 程式の初期値空間を用いる。 時間が許せばミドルコンボルーションとの関係についても述べる。 ---------------------------------