講演者:洪 鋒雷氏(産業技術総合研究所) 日時:11月 13日(金) 午後4時30分から 場所: 青山学院大学 理工学部(相模原キャンパス)L棟6階 L603室 題目: 「レーザーの周波数計測と次世代原子時計」 要旨:周波数安定化レーザーは、精密分光学のみならず、原子冷却や 量子光学などの研究に欠かせない基本的な実験道具である。また、 1983年の「メートル」定義改訂以来、周波数安定化レーザーは波長 標準としてメートルの定義の実現に大きく貢献してきた。さらに、 光通信などの産業の現場においても周波数安定化レーザーは大いに 役に立っている。 また、光周波数コムの誕生による光周波数計測の発展は、さらに周 波数安定化レーザーの研究にも大きな弾みを付けている。周波数安 定化レーザー技術を用いた光周波数標準の研究では、イオントラッ プやレーザー冷却など手法が開発され、大きな進歩が得られていた。 最近では、「光格子時計」の手法も誕生し、光周波数標準の周波数 精度が18桁に迫ろうとしている。光周波数標準が現在のマイクロ波 周波数標準であるセシウム原子時計に取って代わって次世代の原子 時計(光時計)となる日がそう遠くないのかもしれない。 本講演では、周波数安定化レーザーや光周波数コムなどの技術を紹 介しながら、原子時計の研究がマイクロ波領域から光領域へ進んで いく様子を説明する。また、秒の再定義への道のりと今後の展望に ついても紹介する。   ---------------------------------