講演者: 山岡和貴氏(青山学院大学理工学部物理学科)} 日時:  6月 26日(木)  午後4時30分から 場所: 青山学院大学 理工学部(相模原キャンパス)L棟6階 L603室 題目: 「銀河系内ブラックホールからのX線放射」 要旨: 最近の観測からブラックホール(BH)には我々の銀河系内に存在する10倍 の太陽質量のものから、10^6〜10^9倍の活動銀河核まで様々な 質量のものが存在することが分かってきた。こうしたBHを伴う系で、 主に観測されるのが、光速に近いスピードで双方向にプラズマを噴出 する現象(電波ジェット)と、BH周りに形成されるガス円盤から 強いX線放射であり、これらにはBHの質量だけでスケーリングできる 共通の物理が働くと考えられる。 今回は、系が小さく速い強度変動をもつ我々の銀河系内の BHに着目して、X線観測と多波長観測の最新の結果を報告する。 現在のホットな話題は、異常に大きな物質降着(超臨界降着) が起きた場合にガス円盤の状態がどうなるか?がある。 このような超臨界降着が起きていると思われるブラック ホールについても紹介する。 また次期X線天文衛星Astro-E2衛星で可能となる、 BHのサイエンスについても述べる予定である。