青山学院大学 物理学科 コロキウム

2001年度 第19回

下記の通りコロキウムを企画致しました。講演者の方には、学生や分野の違う方にもわかるレベルから始めて下さるようにお願いしてあります。是非ともご参加下さいますよう、ご案内申し上げます。

なお、今後の予定については www.phys.aoyama.ac.jp/seminars/ を御覧下さい。 また理工学部キャンパスへの交通についてはwww.phys.aoyama.ac.jp/maps/を御覧下さい。
 

(世話人・羽田野 直道・学外からは03-5384-2642・学内からは23107)



合わせて13日から大学院の集中講議が行われます。 こちらも是非、ご参加下さい。


講演者:細谷 暁夫 氏(東京工業大学・理工学研究科・基礎物理学専攻)

日時: 12月14日(金) 午後5時から
場所: 青山学院大学 理工学部(世田谷キャンパス) 一号館 5階 1538号室

講演題目: ブラックホールと量子情報
要旨:
ブラックホールからは何ものも出ていかないとたいていの通俗書には書いてあります。 少しまともな通俗書だと、実はホーキング効果と呼ばれる量子現象で粒子は外に熱的に放出される、と書いてあります。

素粒子理論と相対性理論の業界ではホーキング効果によるブラックホールの蒸発が、情報の喪失を意味するのではないかと長年議論しています。 つまり、ブラックホールの中に放り込んだ物(リンゴあるいはマッキントッシュ)の情報がブラックホールに呑み込まれ、そのブラックホールも蒸発してしまい、情報は完全に消えてしまうのだろうか?、と言うのです。

多くのパラドクスがそうであるように、言葉の定義と推論を丁寧に行えば上のような問題は解決するはずです。 今回私自身の仕事に基づいて、非専門家向けに「情報量」の定義を押さえれば議論の混乱が避けられて、上のパラドクスは自然に解消することをお話しします。


共催・青山学院大学 理工学会 物理学分科会